2016年8月30日火曜日

医者は人知れず泣いているのか

知人のバーテンダーが死んだ。

死因は、肝硬変。

バーテンダーが死んで数週間後、店の客が集まり彼を偲んだ。

みな何も語らず、静かに飲んでいたが、

最初に口を開いたのは、医者だった。

・・・

医者の彼は、バーテンダーを見舞いに病院に行った。

病室で他愛のない話をしていた時、

彼は、何の気なしにバーテンダーの背中をさすった。

すると、バーテンダーが「痛い」と叫んだ。

その時、彼は、涙が止まらなかったそうだ。

・・・

彼は、涙を流しながら

「あの時、友達の死期が分る自分が嫌だった。

初めて、医師である自分を嫌だと思った。」

と言った。

・・・

俺は、泣いてる医者を見て、

「医者は人知れず泣いている」と思っていた自分を恥じた。



0 件のコメント:

コメントを投稿