知人のバーテンダーが死んだ。
死因は、肝硬変。
バーテンダーが死んで数週間後、店の客が集まり彼を偲んだ。
みな何も語らず、静かに飲んでいたが、
最初に口を開いたのは、医者だった。
・・・
医者の彼は、バーテンダーを見舞いに病院に行った。
病室で他愛のない話をしていた時、
彼は、何の気なしにバーテンダーの背中をさすった。
すると、バーテンダーが「痛い」と叫んだ。
その時、彼は、涙が止まらなかったそうだ。
・・・
彼は、涙を流しながら
「あの時、友達の死期が分る自分が嫌だった。
初めて、医師である自分を嫌だと思った。」
と言った。
・・・
俺は、泣いてる医者を見て、
「医者は人知れず泣いている」と思っていた自分を恥じた。

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